2025/12/23 09:00
こんにちは。
今年もあとわずかとなってまいりました。
さて、2025年もカメラに活躍してもらいました。私の場合はキャンプや動物園ばかりですが、もっと過酷な環境下で撮影されていた方も多いはず。
そこで年末の大掃除と合わせてやっておきたいのがカメラのメンテナンスです。年末が忙しければ年明けでも良いのですが、ぜひこの季節にやっていただきたい理由があります!
近年、カメラの高性能化により誰もが素晴らしい写真を撮れるようになりました。しかし、その裏で高性能への依存も強くなり、カメラに任せておけば大丈夫という意識から、メンテナンス離れの傾向が強くなっていきました。
フィルムカメラ全盛の時代は、撮影から帰ってくるとブロアーを片手にカメラを清掃したものです。その時間までもが楽しかったのです。
日本は地域的に多湿でありますから、多くの方が「湿気の多い梅雨時」の対策を気にされます。
実は写真のプロとして推奨したいのは「冬のメンテナンス」です。
今回は、その理由と、年末年始の休暇中にご自身でできる「一歩進んだ」メンテナンス方法をご紹介します。
なぜ「冬、年明け前」にメンテナンスをすべきなのか?
梅雨時のメンテナンスが「湿気による被害を抑える防御」だとすれば、冬のメンテナンスは「カビの原因を徹底的に断つ攻撃」に当たります。
理由1:カビの「休眠期」を狙う!
カビは高温多湿な夏に最も活発に活動します。しかし、冬の乾燥期に入ると、レンズやボディ内部に入り込んだカビの胞子(たね)は活動を停止し、乾燥した状態で固着せずに留まりやすくなります。
この時期にクリーニングを行うことで、胞子がレンズ表面に根を張る前に効果的に除去でき、次の夏にカビが大繁殖するリスクを根本から下げることができます。
理由2:来たる「撮影シーズン」への万全な準備
春先からゴールデンウィーク、そして旅行シーズンに向けて、カメラの出番は確実に増えます。
この時期に点検・清掃を済ませておくことで、一年分の汚れを取り除き、センサーやレンズが最高のクリーンな状態で新しい撮影シーズンを迎えられます。万が一、修理やオーバーホールが必要になった場合も、ハイシーズン前にメーカーに出す等の対策がたてられます。
年末年始に!ご自身でできる「一歩進んだ」メンテナンス3選
多くのカメラ店やメーカーがお休みに入る年末年始こそ、ご自宅でできるメンテナンスを実践しましょう。ここでは、ただの拭き掃除ではない、効果的なケア方法をご紹介します。
1. センサーの「乾燥ゴミ」を徹底的に吹き飛ばす!
写真に黒い点として写り込む原因の多くは、センサー表面に付着した乾燥したホコリです。
まずは道具を揃えましょう!とはいっても用意するのは、ゴム製のブロアーだけです。
1.
バッテリーをフル充電する(最重要)。
2.
カメラのメニューから「手動クリーニング」モードを起動し、センサーを露出させる。この段階でレンズを外します。
3.
カメラを下に向け、ブロアーの先端をセンサーに近づけすぎず(1cm以上)、空気を吹き付ける。
*スプレー缶タイプのエアダスターは液化ガスがセンサーを損傷させる恐れがあります。また、強すぎる風圧でセンサーが変形する可能性があるため絶対に使用しないでください。
2. 電気接点(端子)の酸化被膜を優しく除去する
レンズとボディ、バッテリーの接点には、油分や酸化による薄い膜が発生し、通信エラーや誤作動の原因になります。
道具の準備:無水エタノール、綿棒(ケバ立ちにくい物)またはシルボン紙。
1.
綿棒などに少量のエタノールを染み込ませる(液が垂れない程度)。
2.
レンズとボディのマウント部の金色端子を、優しく一方向に拭き取る。
通信エラーを防ぎ、バッテリー持ちや動作の安定化に繋がります。
3. 小型ライトを使った「見えないカビ」の早期発見チェック
プロの修理に出す前に、ご自身で初期の異常を発見しましょう。早期発見は修理費用の最小化に繋がります。
チェック箇所:レンズ(前後玉)、ファインダー接眼部。
1.
小型で明るいLEDライトを用意する。
2.
レンズやファインダーを斜め方向から照らし、光の反射を利用して内部を覗き込む。
3.
内部に「クモの巣状の斑点(カビ)」や「糸くずのようなクモリ」がないかを確認する。
「3」の症状があった場合は、メーカー等へご相談ください(ミラーレス機のファインダーは密閉度が高いですが、もし内部にカビが発生すると高額なユニット交換になりがちです)。
最後に
ご自身でできるメンテナンスをご紹介しましたが、カメラは非常に精密で高額な機器であることを忘れないでください。
今回ご紹介した手順は比較的安全ですが、作業の結果、予期せぬトラブルが発生した場合の責任は負いかねます。
これから長く一緒に歩んでいく大切なパートナーである愛機を守るため、少しでも不安を感じた場合や、内部の清掃が必要な場合は、無理をせず専門の業者に「丸投げ」するのが賢明な選択です。プロに任せることも、大切なメンテナンスの一つです。
高性能なカメラは適切なケアを施すことで何年にもわたって最高の写真を生み出してくれます。
2025年の終わりは、ぜひご自身の愛機を労わり万全な状態で新しい年をお迎えください。
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