2025/11/04 09:00

いよいよ寒さが本格的になり、街がきらめく季節がやってきましたね。

冬の風物詩といえば、やっぱりイルミネーション!

ですが、その幻想的な美しさを写真に収めるとなると、ただシャッターを押すだけではもったいない!特に「三脚」は必須アイテムですが、人通りの多い場所での使用はマナーが問われます。

周りのカップルや通行人の迷惑にならないよう、スマートに、そして最高の写真が撮れるよう、機材の選び方から撮影のコツまで、しっかり準備していきましょう!

 

必須アイテムとオススメ機材のピックアップ

イルミネーション撮影の基本は、「光をしっかり取り込むこと」と「ブレを防ぐこと」です。


カメラ : レンズ交換式(一眼レフ/ミラーレス)で、高感度性能に優れている機種が

三脚 : 長時間露光や低感度撮影時のブレを完全に防ぐ、必須アイテム。

レリーズ : シャッターを押す時のわずかな振動(ブレ)も防ぎます。

レンズ : 後述しますが、F値の小さい明るい単焦点レンズが特におすすめ!

三脚マナーの心得:人通りが多い場所では、長時間場所を占領しない、通路を塞がない、低い位置で構えるなど、周囲への配慮を最優先に。可能であれば、人混みを避けた場所や時間帯を選びましょう。

 

各レンズの効果と使い方:幻想的なボケとシャープな光

イルミネーション撮影において、レンズは表現の幅を大きく広げる重要な要素です。


1. 明るい単焦点レンズ(例: F1.4, F1.8など)

美しい玉ボケ : 開放F値(F値の数値が小さい状態)で撮影すると、ピントが合っていない背景のイルミネーションが、大きく丸くぼけて(玉ボケ)写り、幻想的な雰囲気になります。

シャッタースピード稼ぎ : 明るい(F値が小さい)ため、暗い場所でもシャッタースピードを速くでき、手ブレのリスクを減らせます(三脚使用が前提ですが、手持ちでも有利になります)。

絞りを開放(F1.4F2.8程度)にし、被写体(人物や手前のオブジェクトなど)にピントを合わせ、背景のイルミネーションを玉ボケさせましょう。


2. 広角レンズ(〜35mm程度)

迫力ある全景 : イルミネーションの広がりや、周囲の建物、夜空など環境全体を写し込み、壮大なスケール感を表現できます。

風景全体をシャープに撮りたい場合は、F8F11程度に絞り込み、画面全体にピントが合うように調整します。


3. 中望遠レンズ(85mm100mm程度)

背景の整理と圧縮効果 : 焦点距離が長くなる分、背景が整理され、被写体と背景のイルミネーションをギュッと近づけたような圧縮効果が得られます。

部分的に切り取りたいスナップや、より大きな玉ボケを表現したい場合に有効です。

 

フィルターを使った楽しさ:光をキラキラ、ふんわりと

フィルターは、イルミネーションの魅力をさらに引き出す魔法のようなアイテムです。


1. クロスフィルター

効果 : イルミネーションなどの点光源を、キラキラとした光の線(クロス)にして輝かせます。

ファインダーやモニターでクロスの角度を確認しながら、フィルターの回転枠を回して調整します(縦や横、斜めなど)。

光が強すぎる場合は、少しアンダー気味(暗め)に撮ると、クロスの線が際立ちやすくなります。

2. ソフトフィルター

効果 : 光を拡散し、にじませることで、全体的にふんわりと幻想的ドラマティックな雰囲気を演出します。光の印象を強めたい、夢のような写真にしたい時に使います。


 高感度撮影(ISO感度を上げる)がNGな理由

最初の方で「高感度撮影に優れている機種が◎」とか言っていますね・・・。この矛盾の理由を解説していきましょう。

 イルミネーション撮影で「低感度」が良いとされるのは、最も高画質でノイズの少ない写真を撮るためです。


ノイズの抑制 : 感度を低く設定する(例:ISO 100200)と、センサーで光を増幅する度合いが小さくなります。その結果、画像に現れるざらつきや色のムラ(ノイズ)を最小限に抑え、クリアで鮮やかな写真を撮影できます。

夜景やイルミネーションのような暗いシーンでは、光が少ないため、感度を上げるとノイズが特に目立ちやすくなります。

階調・色再現性の向上 : 低感度であるほど、光の微妙なグラデーション(階調)や、イルミネーション本来の鮮やかな色が正確に再現されやすくなります。

つまり、「最高に綺麗なイルミネーション写真」を撮るためには、三脚などを使ってカメラを固定し、シャッタースピードを遅くして光を十分に受け止めつつ、最低感度で撮影するのが理想です。

 

現実的な制約と高感度性能の必要性

一方で、「高感度撮影に優れたカメラ」が勧められるのは、三脚が使えない、手持ちで撮りたい、動いているものを撮りたいといった現実的な撮影の制約に対応するためです。

 

手ブレ対策 : 低感度で撮る場合、光量が足りないためシャッタースピードが遅くなります。手持ちで撮影すると、シャッタースピードが遅いと手ブレしてしまいます。

動く被写体への対応 : 人物や乗り物など、動いている被写体をブレずに撮るには、シャッタースピードを速くする必要があります。

高感度の役割 : これらの状況で明るさを確保しつつシャッタースピードを稼ぐには、感度を上げることが必要になります。

高感度に強いカメラの真価

高感度に強いカメラは、高い感度(例:ISO 3200, 6400など)に設定しても、発生するノイズが少ない(またはノイズを効果的に処理できる)という特長を持っています。

これは、

① 理想 : 低感度で撮りたいけど、シャッタースピードが遅すぎて手ブレしてしまう

② 妥協 : 仕方なく感度を上げるしかない

③ 解決仕方なく感度を上げても、他のカメラよりノイズが少なく済む

この流れが大きなメリットとなり、手持ち撮影や、三脚の使用が難しい場所での成功率を飛躍的に高めてくれるのです。

 

最高にロマンチックな瞬間を、最高の画質で残すために、ぜひこの冬のイルミネーション撮影を楽しんでくださいね!