2025/07/08 18:00

 

 

 

これまで、撮影OKのルールや、スマホと一眼の戦略の違いについて語ってきた。


だが、撮影したその「後」の話、つまり「二次創作」の問題に触れずして、この議論を終えることはできないだろう。


撮影OKという最高の文化が生んだ、新たなの部分。


ファンなら誰もが「推しに良かれと思って」やっており、そこに悪意はない場合がほとんどだ。


しかしその純粋な愛が、時として推しを、そして自分たちの首を絞めることになりかねない。


この根深く、難しい問題について、最後の締めとして語らせてほしい。

 

 

 その行為は、本当に「応援」になっているか?


純粋に応援の気持ちで撮影した写真や動画が、その後の加工や編集により思わぬ形で一人歩きしてしまうことがある。

 

例えば、ディープフェイクという技術。


AIを使って、アイドルの顔を全く別の映像に合成するもので、結果によってはファンの応援という領域を完全に逸脱し、人の尊厳を深く傷つけてしまう可能性がある。


ここまでくると事件へと発展してしまうケースもあり、決してあってはならない行為である。


 

ディープフェイク程ではなくとも、アイドルの写真を元に、本人が見たら悲しむような加工をして、面白がっているケースも少なからず目にする。


体型を揶揄したりグループのイメージを損なったりするようなコラージュ画像は、愛情やリスペクトが感じられず見ていて怒りが湧き上がってくる。


撮影したデータを元に、本人が全く関与していない、意図しない姿の動画が作られたり、感動的なMCの途中で言葉に詰まった一瞬だけを切り抜かれて「放送事故?」と面白おかしくいじられたり、メンバー同士でふざけている場面が、不仲であるかのような印象操作に使われたり・・・。


 

誰でも簡単に写真をイラスト化したり、別のキャラクターに変えたりできる時代。


技術の進歩はすごいと思うが、それを使う側がポンコツでは意味がない。


悪気があっての事ではないと思うが、「投稿ボタン」を推す前に、愛する推しの顔を思い浮かべ、彼女がどう感じるかに思いを馳せてみてほしい。



 「ルールだから」の前に、大切なこと。


ちょっと現場での体験を話すと、例えば使用禁止の機材で撮影していたり、スマホでの動画撮影のみが許可されている現場でシャッター音が聞こえてきたり、フラッシュが光ったり・・・これをスタッフさんだけで全て管理するのは、難しいだろう。


限られた空間の中ですらこうなのに、これがSNSともなればルール違反者を特定するのは至難の業だろう。

 

もちろん運営の方々も手をこまねいているわけではない。


多くの公式サイトで注意喚起を行い、悪質なものには法的措置も検討すると発表している。


だが二次創作に明確なルールを設けられないジレンマがあるのも事実。


 「切り抜きは10秒まで」「テロップの色は公式カラーのみ」なんてルールを作ったところで、守らせるのは不可能だし監視するのも現実的じゃない。


 

二次創作は、新規ファンを獲得するための大きな力となる。


愛のこもった紹介動画や彼女らの可愛い瞬間をまとめた切り抜き動画などもあり、これらを一律に禁止することは、その強力な拡散力を失うことになりかねない。


ファンの創造性も拡散力も借りたいし、そこにはリスクが付き物でコントロールしなければいけない。


運営は非常に難しい綱渡りを強いられている。

 

 

だからみんな聞いてくれ!

「皆様の良識に任せます」と言わざるを得ない運営の声を!

 

 

みんなに感じてほしい!

愛する推しの未来が、グループの行く末が、我々に委ねられている現状を!

我々が守るべき、撮影OKという"文化"を!!

 

 

 

今回のブログは、とある現場で一緒になった同士たちとの語らいに端を発している。


同志らが最も懸念していたのは、「このままでは、撮影という付加価値サービス自体がなくなってしまうかもしれない」ということだった。


全くもって同感だ。


一部の心ない二次創作や、配慮に欠ける切り抜きが横行すれば、運営はリスクを回避するために、一番簡単な解決策を選ぶだろう。


 

それは、**「撮影全面禁止」**という選択だ。


 

そうなってしまえば愛する推しの輝く瞬間を自分の手で記録できるという、この最高の文化そのものが失われてしまう。


それはファンにとっても、ファンに喜んでほしいと願うアイドルたちにとっても、あまりに悲しい結末だ。


撮影を許可してもらえるのは、運営とアイドルからの**「信頼」**の証だ。


 ファンは、その信頼に応える責任がある。


撮る喜び、残す喜び、そして共有する喜び。


この素晴らしい文化を未来に繋いでいくために、「賢明なファン」であることが求められている。


推しの手のひらの上で楽しく踊らせてもらうためにも、その舞台を自らの手で汚すことのないようにしようじゃないか。

 

 

これにて、アイドルおじさんの現場考、一旦の幕引きとさせてもらう。

 

 

 

同志諸君よ、また最高の現場で会おう!