2025/04/08 09:00

 

 

 

前回、撮影時の注意点、撮影のコツ、レンズの特徴について説明させていただきました。

 

長々と講釈を垂れましたが、要はルールを守って周囲のお客様や動物たちに配慮して楽しみましょうという事です。

 

 

自分は写真を撮る時に「周りの迷惑にならない」ことを心掛けています。

 

それって当り前なのでは、と言われそうですが意外とできてない人は多いみたいです。

 

 

動物園に限らず、目的や楽しみ方は人それぞれです。

 

それ故に撮影時には気を配らなければなりません。

 

なぜなら写真を撮る行為は多くの場面において邪魔だからです。

 

 

 

 

【通常考えられる動物園に行く目的】

 

 

1. 動物との触れ合いと癒し

 

•動物を見る、観察する

 

普段見ることのできない珍しい動物や、好きな動物を間近で観察したい。

 

動物たちの愛らしい姿や、ダイナミックな動きを見て癒されたい。

 

•動物と触れ合う

 

一部の動物園では、特定の動物と触れ合えるイベントが開催されており、直接触れ合うことで動物への親近感を深めたい。

 

動物と触れ合うことで、ストレス解消や癒しを求めている。

 

 

2. 学習と教育

 

•動物について学ぶ

 

動物の生態や習性、生息環境などについて学びたい。

 

動物園の解説や展示を通して、知識を深めたい。

 

•環境問題について考える

 

絶滅危惧種の保護や、地球環境問題について考えたい。

 

動物園が取り組む環境保全活動について知りたい。

 

•種の保存への貢献

 

動物園が取り組む種の保存活動を応援したい。

 

動物園にいる動物たちに会いに行くことが種の保存に貢献することを知っている。

 

•子供の教育

 

子供に動物を見せることで、情操教育や自然への関心を育みたい。

 

動物園での体験を通して、子供に生き物への優しさや命の大切さを学んでほしい。

 

 

3. レクリエーションとエンターテイメント

 

•家族や友人とのレジャー

 

家族や友人との楽しい思い出作りのために訪れたい。

 

ピクニックや動物園内のアトラクションなど、レジャー施設として楽しみたい。

 

•デート

動物好きな恋人と、動物を見ながら楽しい時間を過ごしたい。

 

動物園のロマンチックな雰囲気を楽しみたい。

 

•動物園のイベントやショーを楽しむ

 

動物園で開催されるイベントやショーに参加したい。

 

動物のパフォーマンスを見るのが好き。

 

 

中には「推しの動物がいる」とか「成長を記録している」のような生活を捧げている人もいるようです。

 

これらの目的に写真が絡んでいることは容易に想像できますが、撮影が目的なのとは違います。

 

では、撮影を目的とする人とは?

 

 

 

 

【目的は撮影!趣味の世界観】

 

 

ここからは撮影が目的な筆者の個人的な意見となります。

 

自己満足、自己完結、言葉は何でもよいのです。

 

とにかく撮影している時が楽しくて、シャッターを切る毎にその度合いが増していきます。

 

そして家に帰ってから撮影した画像をチェックし、狙い通りの写真が撮れているか確認します。

 

この時点では世に発表することなど毛ほどにも考えておらず、100%自己満足のもと自分が撮ってきた動物写真に癒されているのです。

 

結果としてコンテストに出品したりSNSへ上げたりもしますがそれは副産物であって目的ではないのです。

 

*コンテストに入選したことはありません。

 

 

 

 

【写真オタクが動物園に行く目的】

 

 

•動物写真の撮影

 

動物の美しい姿や表情の変化、質感をとらえ芸術的な作品として独自の表現を写真に写し込む。

 

言いかえるならば、人と違う写真が撮りたいだけです。

 

面白いしぐさを見つけると追い続けます。

 

カンガルーは汗腺があまり発達していないため腕を舐めて体温調節をするのですが、1匹だけやたらと肘を掻いているカンガルーがいました。

 

その行動が面白くて撮り続けていたら、迷惑そうな顔でこちらを見てきたので撮影をやめました。

 

カンガルーに睨まれるとちょっと怖いですね。

 

 

•写真コンテストへの応募

 

クオリティの高い写真が撮影できた結果、写真コンテストに応募する。

 

狙い通りの写真が撮れると急に承認欲求が高まり応募したりするのですが、もともと自身の満足を優先させた写真なので人から選ばれることはありません。

 

撮影した写真がたまたまコンテストのテーマに沿っていた、なんて場合もあります。

 

 

SNSへの投稿

 

愛らしい姿を見てほしくて撮影した動物の写真をSNSに投稿するのですが、愛らしいポイントが世間とずれているせいか、あまり「いいね」はつきません。

 

賢く、好奇心旺盛なプレーリードッグ。

 

とある施設でそんな彼らが放し飼いになっている現場に遭遇しました。

 

シャッターチャンスとばかりに夢中で撮影しましたが距離が遠く、そのとき持っていたレンズでは満足いく仕上がりにはなりませんでした。

 

後から施設の方に話を伺ったら、放し飼いではなく脱走だったようです。

 

プレーリードッグは穴掘りの名人で狭い隙間も進める柔軟な体を持っています。

 

そこに縄張り意識の高さと好奇心旺盛な性格が加わり、常に新天地を求める脱走の名人となりました。

 

SNSが無い時代のエピソードでした。

 

 

 

 

【最後に】

 

 

冒頭で「周りの迷惑にならない」と偉そうに言っていましたが、これはだいぶやらかしてしまった結果そう肝に銘じるようになったのです。

 

立派なカメラを持って撮影していると、つい勘違いしてしまいます。

 

自分は凄いことをしている、自分が写真を撮っていたら周りが気を遣わなければならない・・・、ありえない思考です。

 

こんな黒歴史な時期がしばらく続いていました。

 

 

ある日息苦しさを感じて周りを見渡すと人々の迷惑そうな目がありました。

 

そして自分と同じような人がいっぱい居ることに気が付きます。

 

三脚を立てて動かない人、観光地なのに人がいる事に怒る人、花の後ろに立つなと怒鳴る人、ベンチに土足で立ち撮影する人、立ち入り禁止の場所から撮影する人、こんな人たちを見てやっと気が付きました。

 

迷惑だなと。

 

 

そう思ってからは気を付けるようになりました。

 

観光地やレジャー施設、行楽地において撮影者は異質な存在、そう思い行動をする事にしました。

 

その結果、いい写真を撮らなければと躍起になっていた頃より遥かに満足できる写真が増えました。

 

 

写真撮影時は周りが見えなくなり、知らないうちに誰かの邪魔になっています。

 

共用の場で撮影をさせてもらっている以上、人にも動物にも謙虚であるべきだと肝に銘じています。