2024/10/01 09:00
アスペクト比をご存知でしょうか?
アスペクト比とは、写真の横と縦の長さの比率を指します。
写真の形やサイズを決める要素で、写真をどこでどう使うかによって適切なアスペクト比を選ぶことが必要です。
アスペクト比は「4:3」や「16:9」といった形で表され、横の長さがどれくらいで、縦がどれくらいかを比率で示しています。
例えばスマートフォンでは、カメラアプリで設定を開くと「画像サイズ」「写真サイズ」などと表示され、いくつかの比率から選択できるようになっています。
今回は、代表的なアスペクト比の違いと、それぞれの使用例についてまとめていきます。
【代表的なアスペクト比】
1.
4:3
4:3は、多くのデジタルカメラやスマートフォンで標準的に使用されているアスペクト比です。
昔のテレビやパソコンのモニターでもよく使われていたため、40~50代の方には馴染みのある比率とも言えます。
写真においては、デジタルカメラが普及し始めた初期に基準となったサイズであるため、現在もコンパクトデジタルカメラなどでは標準のサイズとして使われています。
この比率は、「正方形に近い横長・縦長」となるため、写真にするときに縦横のバランスが取りやすく、中心となる被写体を大きく写したときに収まりが良くなります。
お花や動きの無い動物などを綺麗に配置できます。
また、縦位置では人物のポートレートに適しており、証明写真の履歴書サイズも4:3ですね。
写真のプリントサイズとしてはDSCサイズ(89×119mm)がこの比率となっています。
使用例:写真で中心となる被写体をクローズアップしたい場合
2.
16:9
16:9は、ワイドスクリーンサイズとも呼ばれ、現在のテレビやモニターで標準的に使用されています。少し前はスマートフォンの画面もこのサイズが多くありました。
動画撮影においても主流の比率で、YouTubeの標準サイズとなっています。
16:9の特徴は、広く見渡せることです。
風景や広い空間を表現したいとき、映画のような臨場感を持たせたいときに特に適しています。
なお、テレビがアナログ放送のころの映像は4:3のアスペクト比であったため、現在のテレビモニターで放映すると、画面の左右に黒帯(黒枠・余黒)が表示されるのはこのためですね。
使用例:広い風景写真
3.
1:1
1:1は、正方形のアスペクト比で、特にInstagramの登場でひろく一般に浸透しました。
SNSのアイコンやプロフィール写真としても使用されることが多く、視覚的にインパクトを与えることができる比率です。
コンパクトで整然とした印象を与え、構図がシンプルになるため、商品写真や顔写真にぴったりです。
使用例:Instagram用、SNSのアイコン、商品写真
4. 3:2
3:2は、35mmフィルムカメラが標準的に採用しているアスペクト比で、クラシックなフィルム写真の比率です。
デジタルカメラにおいても、フルサイズ、APS-Cサイズの一眼レフミラーレスに採用されています。
この比率は、写真がやや横長・縦長になり、風景写真やアート作品において人気があります。
背景や余白の部分をどのように活かすか、撮影者の力量が問われることになり、腕の見せ所となります。
また、「黄金比」といわれる1:1.618(約5:8)に比較的近い長方形であり、縦長の構図でもバランスが取りやすいため、縦横どちらでも美しく収めることができます。
写真のプリントサイズとしてはLサイズ(89×127mm)のプリントが設定されています。
使用例:風景写真・アート写真・プリント用写真
5. 5:4
5:4は、写真プリントでは6切サイズ(254×203mm)の比率です。
6切サイズはA4サイズに近く、手ごろな大きさであるため写真を額装する際に多く使われてきたサイズです。
現在でも写真額のサイズのラインナップに入っていることが多いです。
4:3と比較してもさらに正方形に近いため被写体を強調しやすく、被写体を大きく写して画面全体に集中させたい意図の写真との相性が良いです。
また、かつてパソコンのモニターではスクエア型と呼ばれ、モニターとしてはやや縦長の印象を持つ比率です。
使用例:写真で中心となる被写体をクローズアップしたい場合
【アスペクト比の選び方】
写真を撮る際、アスペクト比は使用する媒体や表現したい内容に応じて選ぶのがポイントです。
たとえば、Instagramは1:1の正方形がもっとも大きく表示されるため目立ちますし、YouTubeで画面いっぱい表示させるには16:9とする必要があります。
ポストカードに写真を印刷する場合は、4:3や3:2が適しています。
また、作品としての美しさやバランスを重視する場合には、アスペクト比に合わせた構図作りが必要です。
たとえば、ポートレート写真を16:9のワイドスクリーンで撮影すると、横に背景の余白が多くなりすぎ、被写体の魅力が薄れてしまうことがあります。
このような場合は、縦構図の写真や、1:1や4:3などのアスペクト比で被写体を際立たせることが効果的です。
【アスペクト比による印象の違い】
アスペクト比は、写真が与える印象にも大きな影響を与えます。
ワイドな16:9は、広がりを感じさせ、視線を横に誘導します。
対して、1:1の正方形は視線を中心に集め、シンプルで力強い印象を与えます。
4:3や3:2はバランスの良い比率で、人間の視野に近いとされるため、自然な見え方が特徴です。
特に風景写真では、広がりと奥行きのバランスが取れるため、風景や人物をバランスよく配置するのに向いています。
【アスペクト比を変える際の注意点】
写真の編集やトリミング時にアスペクト比を変える場合、元の写真の構図が崩れることがあるため、慎重に行う必要があります。
例えば、16:9の写真を4:3に変更すると、横幅がカットされ、両端の要素が失われることがあります。
アスペクト比は、元の写真を撮影する時に、最終的にどの比率で使用するかを考慮しておくと良いでしょう。
【まとめ】
アスペクト比は写真の見え方や印象に大きな影響を与える重要な要素です。
どの比率が適しているかは、目的や用途、表現したい内容に応じて選ぶことが大切です。
特に、SNSへの投稿や、フォトブックの作製、大伸ばしして展示など、さまざまな媒体で使用する場合には、その媒体に合ったアスペクト比を選ぶことで、写真の魅力を最大限に引き出すことができます。
写真を撮影する際には、ぜひアスペクト比を意識してみてください。
ちょっとしたコツとしては、同じシーンでも余白を変えて何パターンか撮影することで、撮影後のアスペクト比の調整がしやすくなります。
おもいで写真デジタイズ(オモデジ)は、主に紙などの写真をデジタル化するサービスです。
紙にプリントされた写真は、そのサイズによってアスペクト比がさまざまです。
おもいで写真デジタイズでは、画像として写っている部分を切り抜きますので、紙の比率にあわせてアスペクト比が設定されます。
そのため、データに余白ができたり、あるいは写真の一部が入らなかったり、ということはありません。
また、デジタル化したい写真を選ぶ時も、写真のアスペクト比は気にしなくて大丈夫です。
デジタル化できる最小サイズは、一辺が30㎜以上、最大サイズはA3サイズ(297×420㎜)までです。
古い写真をデジタル化して、そのデータから違うアスペクト比に変更すると、トリミングされて印象の違う写真になります。
是非、おもいで写真デジタイズ(オモデジ)を利用してお試しください。