2024/08/27 09:00

  

 

デジタル化により、多くの人々が物理的な写真をデジタルフォーマットに変換し、保存や共有が容易になりました。

 

しかし、テクノロジーの進化は止まらず、写真保存の分野でも新たな技術が次々と登場しています。

 

この記事では、デジタル化の次に来ると期待される写真保存の3つの新技術と、それが私たちの思い出の保存にどのような影響を与えるかについて考察します。

 

 

 

1.       クラウドストレージの進化とAIによる自動整理

 

 

クラウドストレージは、デジタル写真の保存方法として広く普及しています。

 

GoogleフォトやiCloudといったサービスを利用することで、デバイスの容量を気にせず、どこからでも写真にアクセスできる利便性が大きな魅力です。

 

今後、クラウドストレージはさらに進化し、AI(人工知能)技術が組み込まれることで、自動的に写真を整理・分類する機能が強化されると期待されています。

 

 

 

現在でも、AIは写真内の人物や場所、物体を認識してタグ付けを行う機能を持っていますが、今後はこれがさらに高度化し、思い出の中から特定の瞬間や感情を自動的に抽出することが可能になるかもしれません。

 

例えば、家族の旅行の写真をAIが「楽しそうな瞬間」として自動整理し、簡単に思い出を振り返ることができるようになります。

 

これにより、膨大な写真の中から自分が求めているものをすぐに見つけることができ、写真の保存と整理がより効率的になるでしょう。

 

 2023年に理化学研究所(理研)の研究グループは、感情次元(感情が快不快と活性度の2次元で説明できるとする理論)に対応付けられ、さらに多角度と深度情報を備える表情動画のデータベースを開発しました。

  

また、産業技術総合研究所では、感情分析AIの研究が進行中で、マーケティングやヘルスケア、VRなど多様な分野での応用が期待されています。


例えば、ユーザーの感情状態に基づいて適切なサービスを提供したり、行動変容を促すシステムの一環として利用されたりしています

 

 

2.       ブロックチェーン技術による長期的な保存

 

 

ブロックチェーン技術は、暗号資産など金融分野で知られていますが、デジタル写真の保存においても革命をもたらす可能性があります。

 

ブロックチェーンは、分散型のデータベース技術であり、データの改ざんや消失が困難である点が特徴です。

 

この特性を利用すれば、デジタル写真を長期的に保存するための新たな手段として活用できるかもしれません。

 

 

例えば、写真のオリジナリティや所有権を証明するNFT(非代替性トークン)と組み合わせることで、家族の重要な思い出や歴史的価値のある写真を、デジタル形式で安全に保管することが可能になります。

 

 

さらに、ブロックチェーン上に保存された写真データは、未来のテクノロジーにおいても閲覧可能な状態で残り続けるため、技術の進化によって過去のフォーマットが読めなくなる心配も軽減されます。

 

 

情報処理推進機構(IPA)の調査によると、ブロックチェーンはデータの記録・管理において特に効果的であり、写真や画像の長期保存やライセンス管理に適した技術としても期待されています

 

 

特に大日本印刷(DNP)が行っているプロジェクトが注目されています。

DNPは、ブロックチェーン技術を利用してアート画像のライセンス販売を行う実証実験を開始し、これにより著作権の管理や二次創作物のライセンス処理を円滑に行えるようにしています。

この取り組みは、個人クリエイターがアートを活用した創作活動を行いやすくすることを目的としており、n次創作市場の活性化に貢献することが期待されています

 

 

こうした技術が普及することで、より安全で信頼性の高い画像保存と流通が可能になると考えられています。

 

 

 

3.       バイオストレージ・DNAストレージによるデータ化技術

 

 

バイオストレージ技術は、未来の写真保存方法として最も画期的なものでしょう。この技術では、DNAを利用してデータを保存することが研究されています。

 

DNAは驚異的な情報密度を持っており、わずかなスペースに膨大な量のデータを保存することができます。

 

また、DNAは数千年という長い時間にわたって安定して保存できるため、長期的な保存に非常に適しています。

 

日本銀行のディスカッションペーパーでも、DNAストレージが「情報爆発時代の切り札」として取り上げられ、データ保存技術としての可能性が検討されています。

この技術は、膨大なデータを保存するための新たな選択肢として、金融機関やデータセンターでの活用が視野に入れられています。

 

 

このような研究は、写真や画像の保存にも応用でき、将来的には個人の思い出や文化財の保存に革新をもたらす可能性があります。

 

 

この技術が一般に利用可能になれば、写真の保存方法も大きく変わるでしょう。

 

例えば、家族の写真をDNAに保存し、次世代に遺伝子的な形で受け継ぐことができるようになるかもしれません。

 

このような技術が実現すれば、物理的なアルバムやクラウドストレージを超えた、全く新しい形で思い出を未来へ伝えることができるでしょう。

 

 

 

結論

 

 

デジタル化は、私たちの思い出を保存する方法を大きく変えましたが、テクノロジーの進化はさらにその先を見据えています。

 

 

AIによる自動整理、ブロックチェーンによる安全な保存、そしてDNAを利用したバイオストレージ技術は、今後の写真保存において重要な役割を果たすでしょう。

 

 

これらの技術が普及することで、私たちの思い出はこれまで以上に安全かつ簡単に保存され、次世代に引き継がれていくことが期待されます。

 

私たち「おもいで写真デジタイズ(オモデジ)」は、次世代へ引き継ぐ入り口です。


お写真のデジタル化は早めにしておきましょう!