2024/08/19 09:00


先日「61日は『写真の日』」という記事を書きましたが、実はもう一つ写真の日があります。

 

それが819日の「世界写真の日」です。

 

61日の「写真の日」は日本の出来事がもとになっている日ですが、「世界写真の日」は「World Photography Day」といい、フランスの出来事がもとになった日です。

 

 




1.「世界写真の日」の由来

 

 

その由来となった出来事は1839819日に遡ります。


この日、フランス学士院科学アカデミーでルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(Luis Jacques Mande Dauerre)が発明した「ダゲレオタイプ」の公開講演が、ドミニク・フランソワ・ジャン・アラゴ(Dominique François Jean Arago)によって行われました。

 

「ダゲレオタイプ」は世界初の実用的写真撮影法であり、銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、銀板写真とも呼ばれます。


ダゲールが発明したため「ダゲレオタイプ」ですね。

 


公開講演とはどういうことかというと、その発明の内容を世界に公開し誰でも無償で自由に使えるようにするということです。

 

公開することになったのはアラゴの発案です。


ダゲールは自分の発明に箔をつけるために、当時高名だった物理学者のアラゴなどにダゲレオタイプを見せたそうです。


 

アラゴは物理学では光学や電磁気学で業績を残し、また、政治家としても科学技術振興などに成果を残していました。


パリ天文台長にも任命され、火星と月には「アラゴ」と名付けられたクレーターがあります。


 

ダゲレオタイプを知ったアラゴはこの発明を世界に公開することを考えました。


その特許はフランス政府が買い取り、ダゲールには褒賞として年金が支払われることになりました。


 

ダゲレオタイプは当時発明されていた他の写真技法に比べて高精細であり、フランス政府が特許を買い上げ公開されたことによって、急速にヨーロッパとアメリカ大陸に普及していきました。

 

1851年に湿板写真発明され確立するまでの間、最も普及した写真技法でした。

 

このダゲレオタイプという発明の公開が、写真の普及や技術の向上に大きな役割を果たしたことになります。

 


これを記念したのが「世界写真の日」ということですね。


 


 

2.「世界写真の日」の制定と広まり

 


「世界写真の日」が制定されたのは2009年という情報がありますが、明確ではありません。


フランス政府が制定したという情報もあれば、非公式に広まったとの情報もあり、今回調べてみましたが、根拠にたどり着けませんでした。

 


2009年という情報が正しいとすると「世界写真の日」が広まったのはここ14年ぐらいということになります。

 

日本には比較的古い1951年に制定された61日の「写真の日」があり、写真業界でもある程度定着しているためか、「世界写真の日」はまだ認知度としては低いようです。

 


実際にInstagramでは「#worldphotographyday」は世界中から106万件以上の投稿がありますが、日本語で「#世界写真の日」とした投稿は500件以上でしかないようです。


日本での認知はまだまだこれからなのかなという印象です。



「世界写真の日」の制定がはっきりしないのは、日本語に訳されている情報が少ないからかもしれません。


そしてSNSを中心に広がりを見せているからということもあるようです。




 

3.1839年と2024年をつなぐ「世界写真の日」

 


1839年から185年の年月が過ぎ、その間に写真の技術は大きく進化しました。


銀板写真が湿板写真となり、写真乾板が発明され写真フィルムが広く普及しました。


そのフィルムもデジタルデータに置き換わりました。


今ではデジタルデータはSNSによって「世界写真の日」を一般に広げる役割を担っています。


 

大げさに言えば、「世界写真の日」は写真の始まりであるダゲレオタイプと、現在の写真であるデジタルデータをつなぐ記念日、と言えそうです。

 


私たち「おもいで写真デジタイズ(オモデジ)」は古い写真プリントをデジタル化するサービスです。


お客様の写真には100年以上前のものと思われる写真もあります。どの写真にも歴史があることを実感します。


 

「世界写真の日」は写真の歴史や文化、写真の魅力や大切さを再確認することができます。


また、写真だけではなくインターネットやSNSなどのさまざまな技術の進化を改めて実感するきっかけになるのではと思います。


 

今日819日のSNSの投稿には #worldphotographyday #世界写真の日 とつけてみてはいかがでしょうか。


あなたの写真を通じて、今までにはない世界や広がりが見られるようになるかもしれません。