2024/08/13 09:00
まず、マグネティック・テープとは何か?
これを訳すと「磁気テープ」であり、身近なところですとカセットテープやビデオテープがこれにあたります。
これにアラート=「警報」と続きますので何か良くない事と想像できますね。
マグネティック・テープ・アラートとは、カセットテープやビデオテープといった磁気テープに関連する注意喚起で、それらを利用してきた私たちにリスクや問題点を知らせているのです。
マグネティック・テープ・アラートは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)と国際音声・視聴覚アーカイブ協会(IASA)が2019年7月に始めたプロジェクトです。
カセットテープやビデオテープなどのマグネティック・テープは、2025年までにデジタルデータ化されなければ大半が永遠に失われかねないと警鐘を鳴らし、世界での調査や対応を求め始めました。
映像や音声を残す記録媒体は、古くは8ミリフィルムなどの映写式のものでしたが、フィルムからデジタルへの移行期にあたる1970年代から2000年代にかけて普及したものがマグネティック・テープでした。
◆マグネティック・テープの問題点
マグネティック・テープは、大量のデータを長期間保存するための優れたメディアですが、以下のような課題があります。
•物理的劣化 : テープ素材の経年劣化により再生自体が困難となるケースや、湿度や温度の変化といった外的要因でカビや歪みといった変質が生じ再生できなくなるケースもあります。
•再生機器の問題 : 次世代フォーマットの登場によりメーカーはカセットテーププレイヤーやビデオデッキなどのマグネティック・テープを記録媒体とする古い機器を製造しなくなります。それに伴い、修理などのサービスも終了していくでしょう。
以上のことからマグネティック・テープに記録されたデータを別の形で保存しなければならない事がわかります。
◆デジタル化のメリット
前述の問題を解決するために、デジタル化は非常に有効です。
デジタル化のメリットを以下のようなものがあげられます。
•データの長期保存 : デジタルデータは物理的な劣化がないため、長期保存が可能です。定期的にバックアップを取ることで、データの損失リスクを大幅に軽減できます。
•アクセスの容易さ : デジタルデータは、インターネットやクラウドを通じて簡単にアクセスできます。これにより、データの利用や共有が迅速に行えます。
•保存スペースの削減 : デジタルデータは物理的なスペースをほとんど必要としません。これにより、保管コストやスペースの節約が実現できます。
◆デジタル化の実践
デジタル化は、主にカセットテープをCDに、ビデオテープをDVDやBlu-rayにダビングしていく必要がありますが、現状として個人の方は既に再生機器を以っていない、という方がほとんどでしょう。
また、機器はあっても正常に動作するかもわかりませんし、作業をする時間がないというケースもあるのではないでしょうか。
そのような時は専門のお店に任せるのが最適な手段となります。
わたしたち「おもいで写真デジタイズ」にもビデオテープのデジタル化サービスがありますので、最適な手段としていただければ幸いです。
◆まとめ
「マグネティック・テープ・アラート」の観点から、デジタル化の重要性を見てきました。
マグネティック・テープの物理的劣化や機器の入手困難さを考慮すると、デジタル化はすぐにでもしなくてはいけない、避けて通ってはいけない道です。
わたしたちのデジタル化サービスも、マグネティック・テープを再生する機器の生産が終了した後、故障した場合にその部品が無くなり、修理できなくなるということも考えらます。
このことは本当に大きな問題で、「警鐘」という言葉が見事に当てはまります。
特にマグネティック・テープは、この問題が顕在化しはじめています。
いつまでもどこかでできるだろう、と思っていると取り返しのつかないことになりかねません。
早期のデジタル化を強くお勧めしています。
また写真プリントやフィルムといったマグネティック・テープ以外のアナログ記録も劣化の危機に晒されています。
デジタル化を進めることで、データの長期保存、アクセスの容易さ、保存スペースの削減といった多くのメリットが得られます。
デジタル化を積極的に進め、未来に向けてデータ保存の安全性と利便性を高めていきましょう。