デジタルカメラが一般的になって20数年経ちますが、それ以前のカメラはフィルムを使用するものがほとんどでした。

写真のフィルムは大きく分けて、「ネガフィルム」と「ポジフィルム」の2種類があることはご存知でしょうか。

ここでは、その2種類の5つの主な違いについてまとめてみたいと思います。

 

（1）ネガフィルムとは

一般的にフィルムと言うとネガフィルムのことを指し、モノクロとカラーがあります。カラーのネガフィルムは、オレンジ色を基調として黒っぽい部分や透明に近い部分があり、光にかざすと画像が見えます。

以下は、ネガフィルムの特徴です。

 

【逆転像】

 　ネガフィルムの最も特徴的な点は、逆転像を持つことです。つまり、実際の被写体の色と明るさがフィルム上では逆に記録されます。

オレンジ色をベースとして、明るいところは濃く（黒っぽく）、暗いところは薄く（透明っぽく）なります。

この逆転像は、プリントへの現像段階で反転され、ポジティブな写真像に変換されます。プリントすることを前提としたフィルムということになります。

 

【明るい領域と暗い領域をとらえる範囲が広い】

ネガフィルムは、広範囲の明るさを捉えることができます。これにより、ハイライトとシャドウの両方の画像情報の詳細を保持しながら、高品質の写真を撮影できます。

 

【露光の許容範囲】

 ネガフィルムは露光の許容範囲が広いため、多少の露光ミスがあっても画像の品質が損なわれにくいです。これは、写真を撮影する際に、光の条件が完璧でない場合でも便利です。

 

【プリントやスキャンの柔軟性】

 ネガフィルムを使用すると、現像後のプリントやスキャンする際に多くの調整が可能です。色やコントラストの微調整や補正を行うことで、理想的な仕上がりの写真を作成することができます。

 

【一般的な利用】

 ネガフィルムは広範囲の明るさを捉えることができ、多少の露光ミスがあっても画像の品質が損なわれにくく、現像後にプリントやスキャンする際に多くの調整が可能なため、「扱いやすい」フィルムと言うことになります。その扱いやすさと、ポジフィルムと比較して安価であることから、広く一般に広まりました。

 

 

（2）ポジフィルムとは

ポジフィルムもまた、写真撮影に使用されるフィルムの一種であり、ネガフィルムとは異なる特徴を持っています。以下にポジフィルムの特徴をいくつか挙げます。

 

【直接プリント可能】

 ポジフィルムは、現像された際にネガフィルムのような逆転像を生成せず、直接的なポジティブな画像（そのままのカラーの画像）を生成します。このため、現像後にプリントをしなくてもカラーの画像を見ることができます。

 

【色の忠実性】

 ポジフィルムは、被写体の色や明るさをより忠実に再現します。ネガフィルムよりも色再現が正確であり、生き生きとした色彩を持っています。

 

【高コントラスト】

 ポジフィルムは一般的にハイコントラストな画像を生成します。これにより、鮮明な輪郭や階調が強調され、写真に力強い印象を与えます。

 

【スライドとしての用途】

ポジフィルムは、スライドとして直接映写することができます。デジタルカメラやパソコンが普及していなかった時代には、会議やセミナーで写真を大きく見せたい場合に「マウント」にしてプロジェクターに投影して表示していました。ポジフィルムと言えば「マウント」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

「マウント」とは一コマずつプラスティックなどのホルダーに入れられた状態のことです。

なお、マウントにしないでシートのままの仕上がりを「スリーブ」といいます。

 

【プロフェッショナルな用途】

ポジフィルムは、プロフェッショナルな写真家や広告業界、美術写真など、高品質で色再現に正確さが必要とされる場面で使用されました。

　ネガフィルムと比較して露光の許容範囲が狭いため、写真やカメラの知識がないと扱いにくいこともあります。

また、ネガフィルムと比較して、フィルムそのものも、現像やプリントをする費用も高価であったため、使用するのはハイアマチュアからプロが中心となりました。

 

 

以上が、ネガフィルムとポジフィルムの特徴と、主な違いです。

フィルムカメラに興味を持ったら、一度はポジフィルムを使ってみたいですよね。現在でもリバーサルフィルムは販売されており、その独特な色と光の表現は、写真愛好家の方から一定の支持を得ています。

 

これらのネガフィルムもポジフィルムも、「おもいで写真デジタイズ（オモデジ）」ではデジタルデータにすることができます。もちろん、ネガはその色を反転させてカラーの状態でデジタル化します。

フィルムは保存状態によって劣化が進んでしまう場合があります。カビが発生したり、他のフィルムとくっついてしまうことがあります。その前にデジタル化することをおススメしています。

 

　「おもいで写真デジタイズ（オモデジ）」は専用の箱に入れて送るだけですので、是非ご利用ください！